半年前に職を失い、気がつけば貯金は底を突いていた。
 朝目が覚めて朝食をとったあと、仕事に行くかのように職安へと行く。通いつめたって、べつに求人の量は変わっていないし、内容だって劇的に変化していることなんてまずない。わかっているけれど、職を求めて、虚無から逃げるためにそこへ向かう。
 たくさん面接も受けたし、選り好みしているわけでもない。それなのに、仕事に就けない。
 コンビニで買ったおにぎりが入った袋を右手に持ち、ホームで電車を待つ。昼過ぎのホームは朝の喧騒が嘘だったかのようにしんと静かで、降り注ぐ日差しが線路を輝かせている。静かで心地よいホームに、電車到着予告アナウンスが流れはじめる。
 昨日、決めたことがある。月曜日になっても何も変わらなければもうやめてしまおうと。
 仕事はやっぱり見つからなかった。受けた面接先から連絡は来なかった。
 世間が稼動をはじめる月曜日に、僕は終わる。

 僕の残骸をかき集める人にあてた謝罪の文章を携帯電話に打ち込み、足元に置く。電車に驚き飛び立つ鳩を仰ぎながら、僕は線路に身を投げた。



End.
20130527




- mono space -